葉祥明という画家がいる。私が中学生の頃、目をひかれこの人の絵をよく眺めていた。パステルカラーの淡い色調からは、とても男性の絵とは想像できない。そこから何十年が過ぎただろう。今見ても、やはりその絵の世界へ引き込まれて行く。幅広い年齢層に指示され永く愛される秘訣とは。空間の多い風景画を中心に風の動きを感じる画風を見ていると何か心が落ち着き、洗われる。また澄んだ気持ちになる。こんな時だからこそ眺めていたい、近くに置いていたい。今、笠岡市立竹喬美術館にて5/9(日)まで展覧会が開催されている。はがき1枚くらいの大きさからもう少し大きいものまで、繊細なタッチで小さな動きまで表現し、観衆をその世界へと引き込んでいく。いつの間にか広大な草原の中に立っているような気分になる。とても心地よい時間だ。